はじめに…
不動産鑑定士とは
不動産鑑定士とは、不動産鑑定士試験に合格し、国土交通省の不動産鑑定士名簿に登録された人のことを指します。土地価格や周辺交通等の環境面や、土地や建物に関連する法律面の諸条件を考慮して、住宅やマンションといった不動産価値の鑑定をおこない、適正価格を決定する専門家です。
不動産鑑定士の仕事は非常に多岐にわたりますが、大別すると「鑑定評価業務」と「コンサルティング業務」の2つの分野に分かれます。
鑑定評価業務には国や都道府県、市町村といった公的機関からの依頼を受けておこなう公的評価と、企業や個人から依頼を受けて不動産の鑑定をおこなう民間評価があります。公的評価には地価公示法に基づく標準地の鑑定評価や、相続税課税のための路線価の評価といった業務があります。民間評価としては、不動産の売買をおこなう際の資産価値の評価や不動産の証券化、会社合併時における資産評価などの業務が代表的です。
コンサルティング業務では、土地の有効活用法に関する提言など、不動産のスペシャリストとして様々な相談に応じて的確なアドバイス指導をおこないます。したがって、時代の流れを汲んだ、高度な知識と専門性が求められる業務といえるでしょう。
不動産鑑定士になるまでの流れ
不動産鑑定士になるためには、国土交通省土地鑑定委員会がおこなう国家試験に合格する必要があります。2006年度に実施された試験の最終合格率はわずか2%という、非常に狭き門となっており、その難易度の高さゆえに、司法試験、公認会計士試験と一緒に「三大国家試験」と称されています。
2006年から導入された新制度により、それまでの3次式の試験が廃止され、「短答式試験」と「論文式試験」という2段階選抜の形式となりました。これらに合格すると、実務修習を受けることになります。実務修習の期間は毎年12月1日から翌年の11月30日までの一年間です。「講義」「基本演習」「実地演習」によって構成されており、この3単元を修得すると、修了考査を受けることができます。修了考査は、「小論文」と「実地演習の事案に対する口頭試問」の2つで、無事に合格すると、国の確認手続きを通して、不動産鑑定士として登録されます。このように、実務修習機関から資格取得まで、最短でも1年半程度はかかります。したがって、不動産鑑定士試験の勉強期間や、受験期間までも考慮に入れるとしたら、費やす時間は数年越しにわたることになり、それだけ取得まで一筋縄ではいかない難しい資格といえます。
